睡眠時無呼吸症候群(SAS)外来
Sleep apnea syndrome
Sleep apnea syndrome
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome: SAS)とは睡眠中に呼吸が止まる、または浅く・弱くなる疾患です。それによって日常生活に様々な障害を引き起こします。
SASの病態で最も多いのが上気道(空気の通り道)が塞がるまたは部分的に狭くなる事で起こる閉塞性睡眠時無呼吸症候群です。夜間に繰り返し起こる無呼吸により、血液中の酸素が低下したり、頻繁に中途覚醒が発生し身体に悪影響をおよぼすとともに睡眠を妨げ日中の眠気を増加させます。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は頻繁に起こる無呼吸により、血液中の酸素の低下、中途覚醒による睡眠の分断等により多くの生活習慣病の合併症を引き起こす事が明らかになってきています。
健常人と比較したSAS患者の疾病等の発生率
高血圧は健常人の2.89倍(1)、
夜間心臓突然死は健常人の2.57倍(2)、
脳卒中・脳梗塞は健常人の1.97倍(3)
また、睡眠の分断が日中の眠気、集中力の低下を起こすことから、
健常人と比較したSAS患者の事故を起こす頻度:健常人の2.5倍(4)
SASが重症になればなるほど事故率が高くなると報告されています。
これら合併症を低減するためにもOSASの適切な診断と、継続的に治療する事が最も重要です。
(1)Peppard, N Engl J Med 2000;342:1378-84. Wisconsin Sleep Cohort Study AHI>15
(2) Gami A, N Engl J Med .2005
(3) Yaggi HK , N Engl J Med .2005
(4) Sassani A,Sleep.2004
AHI(Apnea Hypopnea Index): 1秒間に10秒間以上の無呼吸・低呼吸(呼吸が浅く・弱くなる状態)が発生する回数。
自宅で使用している計測装置「睡眠時無呼吸検査携帯用装置」は一晩の睡眠を通して計測を行います。センサーを装着し以下の項目を検査します。
実際には、このような感じです。
以下の項目を測定します。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療法にはさまざまな方法があります。口腔内装置による治療、手術による治療、そしてCPAP(シーパップ)療法(持続陽圧呼吸療法)です。病状・状況により治療方法は異なります。また、生活習慣の改善も合わせて行う必要があります。生活習慣の改善でSASを治療する事は難しいですが、生活習慣病の予防には大変重要です。
CPAP(シーパップ)療法(持続陽圧呼吸療法)はCPAP装置からホース、マスクを介して処方された空気を気道に送り、常に圧力をかけて気道が塞がらないようにします。この療法を適切に行うことで睡眠中の無呼吸やいびきが減少し、SASによる症状の改善が期待されます。CPAPは治療効果が高い治療法です。またOSASが原因で血圧が上昇している場合においては、降圧(血圧を下げる)効果の報告もあります。CPAP療法は検査を行い一定の基準を満たせば健康保険の適応になります。
実際には、このような感じです。
口腔内装置とは、下あごを前方に固定して空気の通り道を開くようにするものです。口腔内装置の作成は、健康保険の適用になります。
気道閉塞の原因がアデノイド肥大や扁桃肥大などの場合には、手術によって取り除くことがあります。また、鼻閉を起こす鼻疾患は、CPAPや口腔内装置の治療を妨げるため手術が必要となることがあります。
初診:約3,000円(診察代+睡眠時無呼吸検査携帯用装置での検査代込み)
CPAPでの治療になったら
約5,000円(診察代+CPAPの医療機器レンタル代込み)